1 「権利証」とは?
不動産の持ち主に対し、登記手続きの終了に伴って発行される書類です。多くは関与した司法書士による表紙でつづられ、平成18年前後の法務局がオンライン化される前のものは「登記済権利証」と記載され、冊子の中に法務局の「登記済」の朱印の押された書類がとじられています。オンライン化後のものには「不動産登記権利情報」と記載され、「登記識別情報通知」という下段にシールが貼られた書類がつづられ、シールの中には暗証番号のような12桁の英数字が記載されています。
権利証は不動産を売ったり、抵当権を設定したりする際に、印鑑証明書(3ヶ月以内)とともに法務局に提出され、登記官は、この権利証を持っている人であれば所有者本人からの申請の可能性が高いと判断することになります。

2 紛失に気づいたら?
権利証が紛失したとしても、不動産の所有権を失ってしまうことはありませんので、まずはご安心ください。ただし、特に権利書と一緒に印鑑証明書・印鑑カードも一緒に紛失してしまった場合には、悪用されかねませんので、警察に紛失届けを提出するとともに、市役所に改印届または印鑑登録廃止届をし、さらに法務局に紛失した旨をご連絡ください。法務局で、登記簿の記載に変更がないことを確認する必要もあるでしょう。3ヶ月たっても記載に変更がないようでしたら、とりあえず悪用されなかったと安心してよいでしょう。
なお、登記識別情報については失効させることもできますので、法務局まはた司法書士にご相談ください。

3 再発行できるの?
権利証は登記がされたときに1回のみ発行されるもので、後から再発行することはできません。
しかし、売買等をする場合には、本人限定郵便で申請の有無を問い合わせる事前通知制度や、司法書士・公証人らによる本人確認制度などを利用することで、権利証の代用をすることが可能です。